脳科学的な英語学習 ①

(はじめに…TOEIC高得点狙っている方、英語が生活で必須!という方この記事で提供出来ることは少ないです。こちらの記事が参考になれば幸いです。→~目的別~ おすすめ英語学習法)
自分なりに英語を学んではみたけど、話せないまま何年も過ぎてしまった。
勉強する時間が中々取れない。
仕事や家のことで1日が過ぎていき、落ち着ける時間を作れない。
そういう方は多いんじゃないでしょうか。私もそうでした。
勤務先まで電車で片道40分ぐらいなので、その時間を使ってリスニングしたり、休日の午前中は英語に充てると決め集中して勉強しました。ですが、家に子供が2人居るので時間のやりくりが大変でしたね(笑)
もくじ
私が改めて英語を学び直し始めたのは今から2年前。それまでフランス系の会社に居たのですが、英語が主となる会社へ転職することになりました。
よっしゃ!と気合を入れ直し、元々持っていた教材で再度学び始めました。多くの人は、歳を重ねると覚えが悪くなると思い込みがちですが、そんなことはないです。
もちろん体は変化していきますが、気持ちは安定して学びに持ってこいの年代に出来ると私は思います。
それにしても、世には英語学習の情報が溢れてますね〜。情報に溺れている人も多いのではないでしょうか?そういう私も何度となく溺れました。避けたいのは、良い勉強法に行き着くまで時間がかかり過ぎること。
英語は耳と口で勉強する
ここで、私なりの結論。
1、義務教育の英語は、”英語という科目”に過ぎないので忘れるべし。
2、机上の学習(読み書き)だけでは話せるようにはならない。
3、同じ学習教材を体に刷り込むぐらい繰り返し聴く。
4、それを体に刷り込むぐらい繰り返し発声する。
5、フォニックスを知りアルファベットの意味を理解する。
6、スラッシュリーデイングを行う。
7、英語の生まれた文化を知る。
8、基本の挨拶から実際に会話する。
結論多いです(笑)ですが、どれも大切です。
お断りさせて頂くと、私はネイティブ並に話せる訳でもないし、英語に関連する仕事をしている訳でもないover 40の一英語学習者です。
TOEIC900点狙っています!とか、海外に赴任します!という具体的な目標をすでにお持ちの方は、この記事で提供出来ることは少ないです。
日々仕事や家事の合間の時間を使い、試行錯誤しつつ勉強法を探って学びその結果どうなるか、という一つの体系的な道筋を少しお伝え出来ると思います。
英語は口で行うスポーツ
英語を話す、というのは口で行うスポーツのようなもの。知識を頭に詰め込む前に、反射的に英語が口から出るまで読む練習をしないと話せるようにはならない。
英語の神経回路を作り直す必要がある
私達が日本語を苦もなく話せるのは、日本語の神経回路が頭に出来ているから。この日本語の神経回路は世界でも独自のもので、他に似た言語がありません。
フランス語とスペイン語は同じラテン語から来ているので共通点が多いのですが、日本語は類似する言語が他にないので、神経回路を作り直すのに労力を費やす必要があるのですね。
赤ちゃんが言葉を覚えるのと同じように、耳から聞き、言葉で出すという過程をしつこく繰り返していくうちに脳の神経回路は徐々に再組織化されます。
ベビーが初めて「パパ♡ママ♡」と話すのと同じことですよね。「パパだよ♡ママだよ♡」という言葉を耳で聞くから話せるようになるんですね。
フォニックスルールを知る

フォニックスという言葉をご存知でしょうか?
私が初めてフォニックスを知った時、軽いショックを受けました。1、の義務教育でこれを教わっていたら日本の英語力は随分向上したはずです。
フォニックスというのはアルファベットの読み方です。
え、読み方って一つなんじゃないの?と思いますよね。フォニックスは、アメリカやイギリスの子供達が英語を学ぶ際の基本の読み方となっています。
私達は、A B C をエー ビー シーで教わります。ですが英語圏の子供はフォニックスルールに基づいた発音でこれを学びます。A B C はェア ブ クと発音します。エービーシーはあくまでアルファベットの名称。Aだったらエーというアルファベットの名前ですよ〜ということ。
このA B C を少し入れ替えて、C A Bとしてみましょう。あなただったらどのように発音しますか?おそらくキャブかカブという発音になりますね。ですがネイティブの子供達は、クェアブと発音します。クとブは少し破裂する音なので実際はよりネイティブな発音になるはずです。
という風に英語圏の子供たちは英語を学ぶ際フォニックスを使います。しかも幼い時は読み書きはあまりしないそう。読み書きを学習し始めると発音がクリアじゃなくなっていくんですって。興味のある人はその辺りググってみてください。可愛いフォニックスチャンネル 「あいうえフィニクス」
スラッシュリーディングをする
スラッシュリーディングというのは、文章を節目ごとに区切って読むこと。名前の通り見えないスラッシュを入れながら読む方法。
これを初めて教わったのは、フランス語のレッスンをしていた時にフランス人講師から教えてもらいました。フランス語って英語に比べると発音がボンボンシュワシュワ(?)してるんですが、これをダラダラ音読していたら「区切って読む練習してください」と真顔で言われました。
要は節の中できちんとイントネーションを付け、何が一番言いたいのか解るようにしないとのんべんだらりとした文になってしまうんです。こちらのサイトが参考になります。なみのリズム
言葉の文化を知る
英語の文化を知る。英語というのはとてもハッキリとした言語。文の最初に主語が来て、その次に動詞が来ます。まずこれがないと英語の文章になりません。
日本語は「あのさー映画観たんだー」「へー何の映画?」と主語がなくても成り立ちますね。ある意味すごいです。英語の多くは多民族国家や移民国家で使われます。文化も宗教も異なる人が同じ国に暮らす、ということはコミュニケーションは完結で誤解を招かない方が良い。
つまり、良く知らない相手に対して不必要な情報を与えない。結論を先に言い、他の情報は必要に応じて伝えればいい、というスタンス。アメリカは裁判の国でもあるので、英語という効率的な言語じゃないと色々大変なのかもしれないですね。
とにかく実戦で話してみる
これはもう実際にチャレンジして話してみよう!しかありません。実は私も転職活動の副次品として英会話の練習をして来ました。外資転職エージェントでの英語面談①
最初からうまく話せる訳がありません。赤ちゃんが生まれると同時に英語を話したら皆気を失うでしょう。
自転車に乗る練習と同じで、何度コケても繰り返し練習すれば乗れるようになる。既に日本語の神経回路が備わっているので一筋縄にいかないし、すぐ話せるようになるものではない。英語に置いて私達の脳は一旦赤ちゃんに戻る必要があります。そして続ければ脳は応えてくれます。
日本語の脳は特殊である
この脳の神経回路の仕組みについては、英語でなく恐縮ですが日本人のためのフランス語(佐伯知智著)いう本に、脳、学習メソッド、私達の反応、日本語の性格など、何故日本人は英語が苦手なのかが科学的に説明されています。
この本では何故話せないのか、話せるようになる為に何をしなくてはならないか、をきちんと理解する大切さを説いています。1989年出版ですから今は中古のみamazonで扱われてますね。学んできた本の中でも、内容がとても良いと思い抜粋したくなりました。フランス語学習の本ですが、外国語を学ぶ点で得るものは大いにあると思います。
著者が本の中で言っているのは
・耳と口で勉強する、目に頼るな
・フランス語(英語)を日本語に訳すな
・フランス語をフランス語で考える(英語を英語で考える)
・この本で2年間勉強する(一つの課に8時間はかけろと言っている)
そうやって脳の神経回路を再組織化することが必要とのこと。日本人の場合、作り直さなければならない神経回路が非常に多いんですね。
この本は以前勤めてた外資企業にいた頃に教えてもらいました。上司の上司にあたるマネージャーに聞いてみたんです。「どうしたらフランス語話せるようになりますかねぇ」と。
その頃トータルで5、6年ぐらいフランス語を学んでいまして、そのマネージャーはきれいなフランス語を話すんです。本国ともやり取りしていて、憧れるなぁ〜なんて思ってました。
そのマネージャーは若い頃フランスに2年留学したらしく日本を経つ前はひたすら聞いて発声する勉強をしたそう。今から25年ぐらい前ってことかな。
本の中で、<日本語中心の学習では、フランス語(英語)の神経回路は作れません。上達のために学習法でのコペルニクス的回転が必要です> そして学ぶ目的と意義を持てと言っています。
今のところフランス語は仏検3級合格とオンライン学習で止まっていますが、フランス語は好きなので続けるつもりです。
フィリピンの人は何故英語を話せるの?

話は変わって、英語の留学先としても人気のフィリピンですが、殆どの人が英語を話すことが出来るんです。何故だかご存知でしょうか?
私は去年、レアジョブというオンライン英会話スクールで半年程レッスンを受けていたのですが、講師の方はフィリピン在住の大学生や講師、コールセンター勤務など様々。殆どの講師が流暢な英語を話します。
先生によっては訛りが入ることもありますけどね。それで、何故フィリピンの人が英語を話せるのかが気になり調べてみたんです。
主な理由
1、国の公用語の一つ。
2、多くの授業を英語で行う。
3、生活廻りの多くが英語表記。
3、学ぶ目的が明確。
多くの人の目的は良い仕事に就くこと=家族を養う、こと。フィリピンは家族の絆がとても深いとのことで、私もレッスンで時々お互いの家族の話をしていました。
またフィリピンは国を挙げて外資企業の誘致をしており、税制優遇もあることから多くの外国企業が参入しているそう。例えばアメリカはフィリピンの時差が丁度12時間。サポートが必要な夜の時間帯をカバーする為、コールセンターをフィリピンにアウトソーシングしている。参考:JETRO
彼らが英語を話せる要因は色々とありますが、外国企業で働く=家族を養うという<強い目的>を持っていることが私は一番大きいんじゃないかと思います。
そうこうする内身にしみて解ったことは
自分には英語を学ぶ強い目的がない。
英語を話したいと思った理由はありますよ。<英語を話してる人を見てカッコいいと思った> <私もああなりたいなぁと憧れた> < 外国人と知り合いになって視野を広げたい> <好きな科目だった>
話せたらカッコイイなぁ〜 も立派な理由ですよね? でも残念ながら強い目的ではない。何と言っても漠然すぎる(笑)
そんな私が、紆余曲折を経ながらネイティブとある程度会話が出来るまで… 次回へ続きます!