民藝とシャネルの共通点

皆さん日本の布と聞くとどのようなものを思い浮かべますか?

季節柄、浴衣や甚平など着てらっしゃる方もいるかもしれませんね。近年は手拭い、風呂敷なども中川政七商店、かまわぬなどはお洒落なものも色々ありますね。

ところで、先日娘と銀座に行きイタリアンでランチを食べて来ました。

コロナもあるので「どうする?キャンセルする?」と娘に聞くと、「いや。これの為に生きてきたの!この一ヶ月!」と懇願され( ;∀;)、さすがはコック。イタリアンの先駆者落合シェフのラベットラダオチアイへ。

入りやすく緊張せず料理が味わえて最高でした(´∀`) 娘よ、ありがとう。キミのおかげだよ。

コロナで縮こまった味覚も解放されました。また行きたいなあ。

その帰りある民芸品店に立ち寄り、そこで偶然出会った紬の布に興味が沸きましてお店の方に「これはどういう布ですか?」と尋ねると、何でも今はもう作れないもののよう。

手作業で紡ぎ機械織で作られたとのこと。触れた瞬間から手仕事が生む豊かさが手から伝わってきたのです。

  もくじ

和のDNAが私たちの体には流れている

それはそうとイタリアンという料理は本来素材を生かして仕上げることで、毎日食べても飽きないのだそう(HP落合シェフコメントより)

和食もそうですよね。うどんなんてもうシンプルの極み。

小麦粉と塩と水を混ぜ合わせ、いかに力を入れていくか、どう茹でるかでまるで別物の歯応えになる。

このコシの違いや小麦粉の香りを日本人は好むわけです。それを美味みと感じられるから。

ひつ子

丸亀のうどんも美味しいね!

また少し話は変わりますが、以前別記事で日本人はどうして英語の習得が苦手なのかということを書きました。私が行き着いた英語学習法 ①

記事の中で日本人のためのフランス語(佐伯知智著)という古い本の一部を紹介しました。

日本人は世界でも独自な言語構造の神経回路が備わっており、英語と相反する部分が多いので英語の神経回路を作り直すのに時間がかかる、という内容。何ですと〜?^^;

実はもう一つ、著者が述べている重要なことが、日本人の体の中を流れるDNAに、過去の歴史データが組み込まれている、と。

日本人は外国人と交流し生活を営んできた歴史的背景がありません。日本人という単一民族の中何百年単位で暮らしてきた。

つまり外国語や外国人に抵抗なく接するには、今の私達が外国語や外国人と触れ合う機会を増やし、DNAに学習させ未来へ繋いでいくことが重要だと本の中で述べているのです。

逆に言うならば、日本の歴史をひっくるめたデータを私達は持っていることに…。そこには平安貴族の栄えた花鳥風月や和歌のデータ、千利休が侘び寂びを美と称した、和の哲学のデータも私たちのDNAに組み込まれている可能性も大いにあります。

ハリーポッターで最後スネイプ先生が涙に変えていたアレかしら。

私がお店に立ち寄った時、本能的に紬の布に魅せられたってことね。

アパレルに携わったものの一人として、今一度日本の布の持つ繊細な色や風情を伝えて行きたいなあと思っているところです。

生活の中から生まれた民藝

ところで皆さん民藝って何かご存知でしょうか?

何となくは知ってるけど、具体的に何を言うの?そんな風に思う人は多いんなないでしょうか。

民藝とは一言で言うと、「生活に根ざす道具の美しさ」です。

ひつ子

え?つまり…?

柳宗悦という大正時代の哲学者が居ました。

彼は「名もなき職人の手仕事や庶民の生活品の中にこそ美が宿る」と提唱し「民藝」という言葉を生みました。

眺めるだけの美術品や高価な装飾品にはない、用に則した「健全な美」が宿っていると。

新しい「美の見方」や「美の価値観」を提示したのですね。(日本民藝協会HPより一部抜粋)

ちなみに柳宗悦の息子はインダストリアルデザイナーの柳 宗理。

眺めて飾るだけのものより、シンプルな機能美にこそ美学が宿ると呈したのですね。

ここで(あれ?何となくどっかで聞いたことがあるな…)と思った方、鋭くてらっしゃる。

柳宗悦の考えはあのココシャネルにも通じると思いませんか?

ココシャネルが味わった逆境と成功

ご存知の方も多いと思いますが、ココシャネルは孤児院から歌手になり、得意の裁縫を生かしパトロンを得て帽子屋を開きました。

後に女性が身に付けていたキツキツのコルセットを取っ払い、飾りだらけの帽子を化物と呼び、動きやすいパンツスーツやジャージ素材を用いた服を作りました。

それらを後押ししたのはシャネル最愛の恋人、アーサーカペル。

カペルはシャネルの勝気な性格に火をつけるように、帽子屋の出店に出資し恋人としてもお互いを信頼し合いました。しかしカペルは結婚相手としてシャネルを選ぶことはなかった。

カペルもまた上昇思考の塊だったが故、血統のある議員の娘を結婚相手に選んだのです。心から愛し合っていたのに。

この時のシャネルの悲しみが仕事への情熱に火をつけます。

しかし愛し合っていた2人はカペルが結婚した後もこっそりと会っていました。そしてシャネルに再び悲しみが訪れます。シャネルに会う為、カペルが車を運転している道中、交通事故で亡くなってしまうのです。

後に何人もの恋人に囲まれたシャネルですが、カペルのことは生涯に渡り愛し続けたそうです。

このアーサーカペル。知っている方は知っているでしょうが、クラークゲーブルに似てすごくカッコイイ。

左 アーサーカペル 右 シャネル

カペルの死後、シャネルは当時イギリス一の富豪と呼ばれたウエストミンスター公爵の恋人となりました。

この時、すでにシャネルは成功者であり、公爵がシャネルにプレゼントする宝石やアクセサリー類に匹敵するほど、シャネル自身も公爵にギフトを送ったのだそう。

シャネルは言っています。

「高価なものをもらうと大変よ。釣り合いを保つのが大変だから」

どれ程シャネルが成功者だったかが伺い知れますね。男女平等を自ら実践して見せていたのもカッコイイ。

シャネルの好きな言葉。

流行は変化していくもの。だけどスタイルは永遠

シンプルさはすべてのエレガンスの鍵

20歳の顔は自然からの贈り物、30歳の顔はあなたの人生。でも、50歳の顔はあなたの功績

VOGUE ココシャネルの名言葉より

シンプルな美とは今あるものを引き立たせ、あるものを生かす、という余計なものを加えないことで生まれるのだと私は思います。

毎日使っている何気ないお茶碗やガラスのコップも、もしかすると日本各地に居る職人さんが作ったものかもしれません。素材を生かす、シンプルの美。

あなたらしさを引き立たせてくれるものは何でしょうか。